マイクラで楽しく学ぶ!水力発電所が建設されるまでの工程
日本のインフラを支える土木建設業!
道路はどんな工程で作られるの?トンネルはどうやって掘っているの?
高い場所にある水力発電所はどうやって建設されるの?
普段はあまり知られていない土木建設に、より多くの人が興味を持てるよう、大手ゼネコンのプロが企画・脚本・監修を担当した動画コンテンツ「マイクラで学ぶ土木建設」を企画しました。
シナリオ作成から映像完成までのプロセスをお届けします!
動画は土木建設工事の理解促進とものづくりの楽しさをゲーム感覚で学べる内容になっています。
水力発電所が建設されまるまでの全工程を、世界的に人気のゲーム「マインクラフト」(以下、マイクラ)を使用してわかりやすく解説し、子どもから大人まで、楽しみながら学べる教育動画です。
山間部に多い水力発電所までの道路をつくる「道路編」、
山を掘削して道路をつなげる「トンネル編」、
水力発電所建設の全容を解き明かす「水力発電所編」
の三部構成で、マインクラフトを使って土木建設のプロセスを学べる工夫が随所に散りばめれています
皆さんはマインクラフトの主人公となって、目の前のさまざまな課題をクリアしながら水力発電所を建設します。
インフラが整っていない村の近くに “水力発電所(水の力で電気を作れる発電所)” を無事に完成させて電気を届け、村の生活に明かりをともすことが目標です!
この冒険を通じて、水力発電所や土木建設工事についての理解が深まります。
ぜひ、壮大なマイクラの世界を楽しんでください。
制作にはスペシャリストが結集!
マイクラを自在に操るスーパーキッズが大活躍!
今回の動画制作には、建設とDXのプロフェッショナルやプログラミングのエキスパート、映像クリエイターに加えて、なんと小学三年生のマイクラ・スペシャリストが大活躍してくれました!
マイクラ担当のスペシャリストの’こっぴー’くんは持ち前のプログラミングスキルと豊かな想像力を生かして、すでに起業もされているスーパーキッズ‼️マイクラに精通し画面操作に作る題材を調べる、そのリサーチ力の速さがケタ違いで、その早業には大人たちが終始舌を巻くばかりでした。
きょうはそんな こっぴーくんをはじめ、本プロジェクトのメインプレイヤーの皆さまに、制作時のさまざまなエピソードや動画のこだわりポイントなどを伺ってまいります。そしてゲームとしてはもちろん、プログラミング学習ツールとしても教育現場で熱い注目を集めるマイクラの魅力にも迫りたいと思います。
制作チームの皆様
企画・脚本・監修/CIVIL CREATE株式会社
代表取締役 川西敦士 様 取締役COO 長田将吾 様
マインクラフト制作/株式会社nikorihito 社長 羽田光凱 (こっぴー)様
映像クリエイター/エディター 岩崎元希
なぜマイクラだったのか
まずは企画・監修されたお二方に、今回の動画制作にマイクラを活用された意図や狙いなどをお伺いしたいのですが。
(長田さん)
普段から建設のシミュレーション動画や講習用の動画教材などを手がけていて、たとえばCanvaを使ってみたり、実際の工事写真を並べたり3DCGで制作したりしていたなか、マイクラを使って何か新しい試みができないかという話はもともとあったんです。
それで今回、土木建設工事の理解を促す一般向けの学習動画をつくるということで、教育とも相性のいいマイクラ活用に臨んでみたものの、なかなかうまくいかない。データの組み込みなどもそうですが、ブロックという単純化されたビジュアルでは伝えたいポイントがうまく表現できないんですよね。
それでクロステリアさんにご相談したというのが経緯です。
(クロステリア)
――実際、水力発電所の構造や建設工事がこんなにも大変なものであることを初めて知りました。想像以上に複雑で、わかりやすくかみ砕いて説明されているからこそ理解できたのかなと。土木については全く知らなかったからこそ、楽しみながら勉強させてもらいました。
(長田さん)
今回の題材がなぜ 水力発電所 だったかというと〝建設のデパート〟だからです。
道路やトンネルがあって、ダムに導水路、発電所と多様な構造物の集合体なんですよね。これを建設できたらもう何だってつくれるという、レベルの高い工事なんです。それをわかりやすく伝えられるのであれば、それこそ今後どんな動画でもつくれるということで。初回から大きなチャレンジでした。
(川西さん)
CGでもつくれるけれど、やっぱりおもしろくないんですよね。
積極的に見ようとならないし、真剣に見ても記憶に残らないというのかな。それがゲームを入り口にすることで印象が180度変わる。
興味を引くし、わかりやすい表現とストーリー性によって理解も深まるし、建設の楽しさやものづくりに対するワクワク感が共有できるんですよね。
それといちばん大きいのは、つくって終わりなのではなく、建設後のくらしの変化まで伝えられること。水力発電所が完成した後に地域の人びとの生活がどう変わっていくか、インフラ整備によるエンドユーザーのQOL向上までの未来図をきちんと描くことができるのがマイクラならではで。
特に今回はこっぴーくんの柔軟な発想によって、すばらしい未来の姿が映し出されました。建設工事による〝ものづくり〟の壮大なフィナーレまでぜひとも味わっていただきたいです。
動画徹底解説 ~神は細部に宿っております~
――圧巻のフィナーレですよね! ラストに大きな感動の波が押し寄せてきます。
そんなわけで、続いては動画徹底解説。まずはどのようにしてつくられたか、制作の流れについて教えてください。
(長田さん)
川西さんと私で脚本をつくりました。まず全体の流れや三部構成の枠組みなどを決めて、道路・トンネル・水力発電所という三つの要素が成立するような地形を日本地図から切り取って、今回のワールドに設定しました。
次にシナリオですね。
電気のない村に電力インフラを整備するというテーマのもと、山にトンネルを通して建設工事に必要な人力や資材を届けて、水力発電所を築いて電気をとどけることで、これまで冷たい暗闇に包まれていた村の風景に温かな光がともっていく、というストーリーを設定する。
さらに各編でどの工程を際立たせるかを考えながらストーリーボードをつくるところまでが私たちの作業で、そこから全幅の信頼を寄せるクリエイターチームにバトンタッチしました。
(クロステリア)
――次にバトンを受けたのが羽田さんですよね?
お父様とこっぴーくんの役割分担はどのような感じだったのでしょう?
(羽田さん)
いただいたシナリオをマイクラの世界観でいかに再現するかが僕とこっぴーの役割です。基本マイクラ制作はこっぴーの担当で、たとえば家や橋、山の法面とか、それぞれマイクラでつくれるかどうかをこっぴーに確認して、
表現できる部分はすべてこっぴーが担当しています。対して、動画で描くワールドのベースとなる部分や通常のマイクラでは表現がわかりづらくなる箇所などは、私がリソースパックやPythonなど別のツールを使って制作しました。
(岩崎さん)
そこまでこっぴーくんが担当していたとは、いま知ってびっくりしています。すごいね、こっぴーくん。
僕はエディターとして、建設の工程をマイクラで映像上どのように表現するか、細かな演出を考えること。それと今回は自分がプレイヤーとなって実際にマイクラを操作して、画面収録をしたうえで映像編集するという、これまでにないプロジェクト体験をさせていただきました。
(クロステリア)
――俳優兼監督兼撮影兼映像編集。岩崎さんも驚異のオールラウンダーですよね(笑)。
そんな最強のアベンジャーズチームだったわけですが、今回の動画制作で大変だった部分やこだわりポイントなどを伺えますか?
(岩崎さん)
全体的な話でいうと、土木建設の複雑な工程をマイクラの限られた表現のなかでいかに工夫して伝えるか。単純化しすぎると情報量過多になって見ている方が咀しゃくするのに時間がかかってしまう。
ちょうど見やすくて、より伝わりやすい表現を常に模索していました。
具体的には、、道路編の「盛土作業」のシーンです。
マイクラのワールドでは下図のように、作業者の動きや周辺の地形にスポットが当たるので、盛土という作業工程の意味合いやビフォーアフターの変化が伝わりづらいんです。プレイヤー兼カメラマンの限界ですね。
そこで羽田さんに別のワールドで単純なV字型の谷(右図)を作成していただいて、地形を断面図で見せることでより表現をシンプルに、作業工程をわかりやすく伝わるよう工夫しました。そして僕がプレイヤーとしてローラーで締め固めている姿を、羽田さんに別視点から撮影いただくことで状況の変化を映し出しました。撮影は何度か撮り直しましたが、ふたりで息を合わせて見事成功。何よりの共同作業だったかもしれません(笑)。
(長田さん)
盛土に限らず、さまざまな工程においてこちらが建設の専門家視点で細かい指摘をして、より正確な表現を求めて無理難題を言っていたので、クリエイターの皆さまにはさぞかしストレスだったことかと……
(岩崎さん)
とんでもないです! 自分が建設や建築に関してまったくの素人だったので、川西さんや長田さんをはじめ、映像に対してさまざまなフィードバックをくださった専門家の方々のご意見やアイデアはとても参考になりました。それに、専門家の方々に最終OKをいただけた映像ということで、皆さまにも自信を持ってお届けすることができたので、むしろ感謝しています。
個人的にもよく知る「マイクラ」を別角度で楽しめたり、ゲーム画面を自ら収録したり、マイクラ自体がゲームとしてあまりにおもしろいもので、撮影前の操作練習のつもりがついハマってしまって、睡眠時間を削っていたような気もしますが(笑)。
遊んでいるなかで「こんなブロックもあるんだ」「これは映像表現に活かせるかも!」といった多くの気付きから、クリエイティブのアイデアが生まれました。
たとえば、コンクリートの耐性比較のシーン。粘着ピストンとレッドストーン回路を用いて見せる発想はそうして得られたものです。
マイクラの楽しさを実体験することで表現の幅が広がりましたし、見る人にも楽しんでほしい、楽しませたいという思いを強くして制作に臨むことができました。
(クロステリア)
――もともと多才な岩崎さんがさらに進化されている感じですね。
羽田さんはいかがですか?
(羽田さん)
岩崎さんもおっしゃっていましたが、やはりブロックを使っての表現なので、傾斜部の再現は難しかったです。どれも単純な45度ではないので、いくつかのブロックを組み合わせたものを少しずつずらしながら重ねていって、微妙な角度をつけていくのですが、トンネル内やワイヤーなど、動画の随所に出てくるものでなかなか大変でした(笑)。
ただこっぴーに関しては、道路編の「法面」やフィナーレの「発展した村の風景」など。一見難題に思える箇所も、これまでの体験やすでに持っているコマンドを生かしながら、うらやましいくらいスムーズに対応していましたね。
(長田さん)
「村の風景」は本当に感動的でした。
道路ができて、トンネルが開通して、水力発電所ができて、これまで暗かった村に電気が通って明るい光がともり、住みやすい街の風景が広がる。シナリオ上や頭の中でなんとなくイメージしていたものをこっぴーくんが具体的に、目に見えるかたちにしてくれました。映像作品としてのクオリティもさることながら、完成版を見たときに直感的に「わかるな」と思えたこと。一般の方によりわかりやすい表現を追求しながら、専門家視点でも納得できる境地を見事に再現してくださいました。
制作過程に伴走していて発見も多かったです。
(川西さん)
もはや一本の映画作品を見ているようでしたね。実際、企画構想から脚本づくりにはじまって、ビジョンを具体化していく撮影監督や美術担当、プレイヤー、映像編集って、もはや映画制作ですからね。
(クロステリア)――最後は一大プロジェクトの立役者であるこっぴーくんに、いつもご自身のYouTubeチャンネル「こっぴーふーちゃんねる」で披露されているように、実際の動画を見ながら制作のポイントを実況していただきたいと思います。
https://www.youtube.com/@koppy.fuchannel
(クロステリア)
動画には映っていない建造物の内部や細かな部分までしっかりち密につくられていることに驚かされます。さらには自分のつくったものや制作工程、意図やこだわりなどをよどみなく説明できるこっぴーくん、すごいですね!
また、「見る人にものづくりのすばらしさと楽しさを伝えたい」というテーマのもと、プロフェッショナルな皆さまがさまざまなチャレンジをされて、共に試行錯誤しながら多くの発見を経て、想像以上のコンテンツを生み出すことができた本プロジェクトには、本当に良い刺激をいただきました。皆さま、ありがとうございました!
今後も自分の知らない世界と積極的に接し、学ぶ心を忘れずに精進してまいりたいと思います。
そして日本には、今回の水力発電所のような大規模な土木事業から世界最小のねじまで、卓越したものづくりの技があります。クロステリアではそれらを映像で伝えることで、直感的に訴え、感動を生み、さらにその先の未来へとつなげていく。そんなお手伝いができればと思っています。
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【解説編】マイクラって何なん!?
「マインクラフト(Minecraft/略称:マイクラ)」は、全世界に1億人以上のアクティブユーザーを持つ超人気ゲームで、プレイヤーには達成すべき明確な目標やストーリーはなく、3Dブロックで構成された仮想空間の中でものづくりや冒険を自由に楽しむことができます。
マイクラには「サバイバルモード」と「クリエイティブモード」があり、前者はプレイヤーに体力や満腹度が設定されて、資源や食料を確保するための道具を作ったり、食物を栽培したり、モンスターから身を守ったりして成長し、自分の世界を築いていきます。
対して、いろんな色やテクスチャーの3Dブロックやアイテムを組み合わせながら建造物をつくり、実際の街並みや近未来都市、好きなアニメ世界の再現など、仮想空間を思うまま創造し、表現できるのがクリエイティブモードです。
いずれも自分でやりたいことを見つけて、目的を達成するまでのプロセスを導き出し、必要なツールをそろえながら、効率よく課題をクリアする。失敗したら別の手段を考えて何度も挑戦するなど、ゲームで遊んでいるだけで豊かな発想力や思考力、問題解決力が身につくこと。
さらにマイクラは、ゲーム自体の楽しさだけではなく、子どもが自然とPCでプログラミングを学べるという教育的効果でも大きな注目を集めていて、一部の学校で教材として採用されたり、行政のまちづくりプロジェクトに一役買ったりと、活用の場も拡がっています。
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